スチャラカもくれんタマスダれ
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たのひらを、たいように についての一解釈

はじめに

『てのひらを、たいように』という作品は
『てのひらを、』編で伝承にうたわれるさとりの少女、永久とその友達である明生たちとの友情を描き(一部逸脱)、
『たいように』編でそもそもさとりとは何か? という謎を解く
という二段構成になっています。

しかし、困ったことに『たいように』編でさとりの伝承についてある程度の推測材料を与えてはくれますが、その全貌が現れたとはとても言えず、プレイヤーはもやもやした気持ちを抱えることになってしまいます。
プレイヤーの一人である私は、SSという形でこのもやもやを解消すべく奮闘したのですが、自分で考えていた材料のすべてを使い切ることができませんでした。理由はおおよそ、私の根気のなさと文才の稚拙さとにあります。
しかし、「このまま埋もれさせてたまるか、少なくともFD発売前に!(爆)」
という理由でここにSSのもとになった設定をまとめることにする……予定でしたが、書いているうちに固まってきたので、そっちで行きます。


神山此方さんの「てのひらを、たいように」推進委員会に感謝を添えて。

物語中で明かされたこと

といっても、そんなに多くはありませんが(例によって記憶に頼って書いているので誤りがあるかも)

てのひらを、編

たいように編

SSの設定

たいように編で、実は「さとり」を殺した勇者は順哉の祖先だったことが明かされています。おそらく、これが真実でしょう(たいように編の性格からしても)。
そうなると、さとりの一族だからという理由で九族皆殺しにしなかった理由は「勇者の末裔だから」ではないことになります。
そこで、私は初代「さとり」は村の巫女であり、侍女がその地位を継いだと解釈しました。
この解釈はついで、順哉の家が旧家であるにもかかわらず、引っ越しを繰り返してきていて蔵書が存在しないという点を村の巫女であった「さとり」をわけがあったとはいえ殺害した一族であるため、「さとり」を殺した者として村から穏やかな形で排除した、と解釈します。

それでは初代「さとり」を殺した理由はなにでしょうか。おそらく、ある理由により「さとり」の能力が制御できなくなり、村人たちの生活を脅かしたためでしょう。「さとり」が能力を制御できなくなったのは村人が何度も儀式を行わせたためと解釈しました。

しかし、まだ問題点が残っています。夏森家と同じ血を引く神主が自由に行動しるのみか、尊敬を受けているようにも思えます。更紗がすんなりと養父母に引き取られることができた理由も分かりません。
そこで、私は「さとり」の能力は遺伝によるものではないのではないかと考えました。「さとり」が村の巫女であるということ、おそらく祭っていたのは山の神であろうということから、「さとり」の能力は山で生まれ育つことに関係するという説を立てました。

さて、ここで初代「さとり」とさとりの一族から出た「さとり」の出現因子が違うではないかと思った方がおられるかもしれません。
実を言うとこいつは裏設定ですが、更科と白紗は実の姉妹ではないということを白紗は知らない、という設定があります。自分で言うのもアレですが、この二人を姉妹にしたのは本編の逆を行ってやろうと思っただけのことで、深い意味はありません。

考察

SSを書いていた時点での設定は上のようなものですが、これをまとめているうちに考えがまとまってきました。
科学的に説明するならば、「さとり」の力の制御力が小さい者、すなわち「白き者」は劣性遺伝であることはまず間違いないでしょう。
そして補足説明になりますが、さとりの一族は今も村の巫女であるようです。これで永久の代理として更紗を用意していることを説明できます。
最後に残った問題はやはり、神主です。「さとり」の能力の供給源は山であるということで一応、説明がつきそうです。