うるさい目覚ましを寝ぼけたまま止めて夢の中に入りこむ 5分後部屋のドアがけ空け放たれた 「いつまで寝てるのよ!、さっさと起きて早くしたくしなさいよ!」 カーテンを開け放たれ窓から差し込む太陽の優しい光で 意識が夢の中から引き戻される。 「おぅ、、、、」 まだ寝ているような口調で俺は布団から這い出した。 「はぁ、、、 私が起こしにこなかったらいつまで寝ていたつもりなのよ?」 「あぁ、、、、」 「って、、、ちゃんと起きてる? 早く支度しないと電車に間に合わないよ?」 毎朝俺を起こしに来るこいつは、双子の妹<和音(かずね)> 学校は違うのだが同じ場所にあるため毎朝起こしに来るのだ。 場所が同じと言うのは俺は男子校、和音が女子高に通っているが、 学校がグランドを挟んで建っているため同じ場所に向かう訳だ。 「そんなに急がなくても遅刻はしないだろうが・・・」 俺は支度をしながら愚痴をこぼした。 「だめよ! 梢(こずえ)と稔夜(としや)君が待ってるんだから!」 和音は稔夜の名前を出しただけで赤くなる。 もう付き合って一ヶ月にもなるのに、、、 進歩のない奴だ、、、。 「そうか、、 そんなに稔夜に早く合いたいか?」 俺はうっすらと笑いを浮かべながらからかってやった。 「え!?」 和音は顔を赤くしながら答えた。 「それもあるけど、、、二人を待たすのも悪いでしょ?」 「そうだなさっさと出かけるか」 俺は仕方なく和音に同意した。 支度を終えた俺は朝食を取るためにリビングまで下りようと階段に足を掛けた。 その時である、、、爺が飛んできたのだ! 俺は交す事もままならず、爺を身体で受け止めるはめになった。 「いっつ、 てめ〜〜爺、人外な動きで飛んでくるんじゃね〜〜〜!」 俺は爺を回し蹴りで彼方へと、、、 「ったく、朝っぱらから激しい運動させるんじゃねぇよ。」 爺を彼方へと蹴り飛ばした後、リビングへと向かった。 「母さん、、、毎朝爺を投げ飛ばすの辞めろよ、 毎回俺の所に飛んでくるじゃねぇか!」 リビングに入るなり母親に文句を叩きつけた。 「あら? その割には毎朝おじいちゃんを何処かに飛ばしてるじゃない?」 母親が笑顔で答える。 「はぁぁ、、、」 俺はため息を漏らした。 「よし、そろそろ出るか。」 俺は玄関へと向かった。 その時、突然携帯の呼び出し音が鳴り響いた! 梢からの電話だ、 俺は嫌な予感がしていた、出たくない、でも、出ないと後悔する、 そんな感覚に襲われた。 「もしもし?」 気がついたら俺は電話に出ていた。 「あ!今何処にいるの?」 「家の玄関だ」 「良かった、和音は側に居る?」 「ああ」 「ちょっと変わってくれる?」 「ちょっと待ってろ」 俺は和音に電話を渡した。 「どうしたの?」 和音は電話に出るなり硬直した。 「うそでしょ?」 「どうした?」 俺は和音に答えを求めた。 「稔夜が車にはねられたって、、、」 顔を青くしながら答えを返してきた。 「な、、電話を貸せ!」 俺は電話を掴むと怒鳴り声で問いただした! 「はねられたってどう言う事だ! 詳しく説明しろ!」 「ちょっと落ち着いてよ。 ただ車にはねられて足の骨が折れただけだよ? そう簡単にあいつがくたばるわけないじゃないの。」 「な、、和音が真っ青になったから、すごい事になったのかと 思ったぞ、まったく人騒がせな、、、。」 「でも、今あいつ病院に居るから和音を向わせて!」 「あいつに学校サボらせるのか?」 「良いじゃないの!彼氏が事故に遭ったんだよ? 彼女が看病するのが当たり前じゃない?」 こいつ面白がってやがる、、 「面白がってるだろ?」 「当たり前じゃない!」 即答しやがった、、 「そうだな向わせてやるか、、、」 俺はニヤリと笑った。 俺も梢もあの二人が付き合い出す前からあいつらで遊んでいたが、 今回のようなシュチュエーションは始めてだ。 「面白くなりそうだな?」 「そうね」 二人は電話越しでお互いの考えを見ぬいていた。