俺は和音を病院に向わせた後いつもどうり駅へと向った。 「ふぅ、、、」 二人で遊ぶ方法を考えながらため息を漏らしていた。 「今回こそはあの二人に気づかせないようにしないといけないな。」 そう、、 この台詞から判るように今までの計画は大半見破られているのだ。 「そうね、今回こそは完璧にしましょうね」 「な???」 俺はいきなり相槌を打たれ驚きを隠せなかった。 「何で俺より後から来るんだ?」 至極当然な質問だった。 いつのも待ち合わせ場所は駅のはず、 大体は梢たちが待っているパターンが多いのだ。 「だって駅に向う途中で事故に遭ったんだから遅くもなるわよ。」 梢はあきれたように返事を返してきた。 「とりあえず、、今回の計画は考えたか?」 「まだよ、今さっき事故があったのに考える暇があると思う?」 「ああ、、、お前ならやりかねん」 ゴス! 鈍い音が聞こえた。 「ぐ、、、痛いじゃないか!」 横っ腹に肘を入れられてしゃがみ込んだ。 「当然の報いだわ! 人を何だと思ってるのよ、、」 上から見下ろすように睨みながら言ってきた。 俺はさらっと答えた。 「冥不魔道の極悪人!」 ゲシ! 俺の身体が5センチは浮いた、 しゃがみ込んでいる俺を蹴り上げたのだ。 「誰が極悪人よ! こんな可憐な美少女を捕まえて!」 梢は髪を触りながら文句を言った。 美少女と言うのは伊達ではない、 俺の学校で人気投票すれば5本の指に入るだろう、 だが、、、 「可憐?可憐な奴が180cm以上ある人間を蹴り上げれるか?」 その言葉を口にした後、、、後悔した。 梢は笑顔でこっちを見ていた。 梢の祖父は古武術の道場を開いている、 幼少の頃より祖父に鍛えられている梢は既に達人クラスの 腕前を持っているのだ。 「ま、、待て、、言葉のあやだ。」 俺は後ずさりしながら弁解していた。 だが、梢は笑顔を崩さず近づき俺の腕を極めた。 みし! 骨が軋む音が耳に付いてきた。 「ぐあぁ、、、 お、、俺が悪かった、だからこの手を離してくれ!」 梢はその言葉で満足したのか極めた腕を潔く離してくれた。 「ま、これに懲りたら変な事は言わない事ね!」 笑顔で言いやがる、 これが実践なら何回俺の腕は折れている事か、 いや、確実に使い物にならなくなってるだろうな。 そんなことを考えながら腕を擦っていた。 「腕が使い物にならなくなったらどうするつもりだ。」 また余計なことを口走ってしまった、 聞こえてない事を神に祈った。 「そんな事より、どうやってあの二人で遊ぶかよね」 ぐあ、聞こえていたらしい、 それよりも俺の腕が使い物にならなくなることが、 そんな事扱いが引っかかるが、、、。 「顔がにやけてるぞ?」 「だって久々に面白そうな事になったんだから、 にやけもするわよ!」 その意見には俺も賛成だ。 こんな話をしている間に学校に着いた。 「じゃ、また後でな!」 「お昼休みに図書館でね!」 「ちゃんと計画考えておけよ!」 俺は既に自分の校舎に向っていた梢に声をかけて、 自分も校舎へと向った。 教室に入り親しい友人と他愛も無い会話を楽しんだ後、 自分の机に座ってこれからの計画を考えはじめた。 授業に集中できるわけが無い! すぐに幾つかの計画は浮かんできた、 だがあいつらの事だ、すぐに浮かんだ考えなど簡単に 見破ってしまうだろう。 こんな事を考えていたらすぐに時は経ってしまい、 あっと言うまに四時間目もあと5分を残すところまで 時間が経ってしまった。 {あぁぁ、、、まだろくな考えが浮かんでない! これではまた梢に蹴られるではないか〜〜〜} 俺は心の中で叫んだ。 非常にも四時間目の終りを告げる鐘の音が鳴り響いた。 「仕方ない、、とりあえず図書館に向うか。」 俺達の通っている<桜ノ宮学園>略して<桜花学園>である。 なぜ<桜花>なのか説明すると春になると恐ろしいほどの花びらに 覆われるため通称で<桜花>になったと言う。 だが校舎が分かれているだけで施設は共同で使う事になっている、 だから俺達は昼食をいつも図書館で食べる事になっていた。 ちなみに女子高の方は<桜ヶ丘花夢女学院>である、 そのままのネーミングだ、要するに設立者が同じなのである、 他に無いような学校を作りたかったらしく、こんな学園を 作ったわけだ。 俺は図書館に着くなり早速二人分の席を確保した、 早めに取っておかないと席が無くなってしまうのだ。 ちなみにこの学園には学食が存在しない、 そのため何処で昼食を取ろうがお構いなしだ。 「先に食っておくか、待つのも面倒だしな。」 早速弁当を食おうと試みた時に、タイミング良く梢が現れた。 「あ〜〜先に食べようとしてるし!」 梢が俺の姿を見るなり文句を言いながら近づいてきた。 「遅いそっちが悪いんだろ? 腹空かして待ってる義理はないぞ。」 そう言い放って俺は弁当に取りかかった。 「ごちそうさま。」 二人は昼食を食べ終わるなりこれからの計画の相談を 始めた。 「俺が思うに、俺達の手段は全て知られているといっても過言では 無いと思う。」 「そうね、あの二人私達に遊ばれ出してから恐ろしいほど、 感が鋭くなったみたいだしね。」 「く、だが今回のパターンは初めてだ。」 「だから相手もこっちの行動は読みにくいと思うわ!」 話が白熱して行き、二人は昼休みの終了を告げる鐘の音で お互いに我に戻った。 「なかなか決まらないわね、、、。」 お互いの計画は恐ろしいほど類似していたのである。 「そうだな、ここまで同じような計画を考えている辺りでは、 あの二人に簡単に気づかれてしまうな。」 二人は悩んだ結果とりあえず一回お見舞いに行って考えよう。 と言う結果で落ち着いた そうと決まればこの二人の行動は<全は急げ!>である。 午後の授業をサボりお見舞いへと向った。